
ホテルソフトウェア切り替え時のスタッフ研修を部門ごとに
4〜5つ星ホテル、リゾート、チェーンでは、ホテルソフトウェアの切り替えの判断が価格で止まることはめったにありません。たいていは経営陣のひと言で止まります。「スタッフは何年も旧システムに慣れている。切り替えたら混乱する」。この懸念には根拠があります。大規模なホテルは多くの部門にまたがって24時間365日動いており、部門ごとにシフト、季節雇用のスタッフ、長年定着したやり方があります。フロント、夜勤、レストランなどの販売拠点のどこか一か所でつまずけば、それはゲストの目の前か、月末の帳簿に表れます。
本稿は、総支配人、経営陣、各部門の責任者に向けたものです。本稼働日にサービス、帳簿、オーナーへの報告を途切れさせないよう、新しいホテルソフトウェアのスタッフ研修を部門ごと、シフトごとに進める方法を解説します。データ移行、サーバーのライフサイクル、残高確定記録は、これまでのDiHotel Blogの記事で扱っているため繰り返しません。本稿で扱うのは人です。誰が何を学ぶのか、どのデータで学ぶのか、誰が付き添うのか、そして「準備ができた」とはどういう状態なのか。
第1部:4〜5つ星ホテルのソフトウェア切り替え——「スタッフが旧システムに慣れている」は現実の懸念
一つのシステムを長年使いこなしてきたスタッフは、ホテルの財産です。どのマニュアルにも書き切れない特殊なケースを知っています。切り替えで運営が乱れるとき、原因はたいていスタッフではなく、研修のやり方にある4つの誤りです。
- 役割とシフトではなく、機能ごとに学ぶ。 研修がシステムの全機能を順に説明していきます。各自に必要なのはそのごく一部なのに、自分の分を自分で選び出さなければなりません。
- ホテル全体を一度にまとめて研修する。 フロント、客室、レストラン、経理のスタッフが同じ会場に座ります。夜勤や交代で休みのスタッフは出席できず、ある部門の質問が別の部門の研修を薄めてしまいます。
- 練習用のデータがない。 見慣れない客室配置、料金、取引先一覧のサンプルホテルで学ぶと、本番のシステムを見たときにまた一から学び直すことになります。
- 最初のシフトに付き添う人がいない。 講師は研修が終わると帰ってしまい、最初のシフト、とくに最初の夜勤は、ホテルが忙しいさなかにスタッフが自力でこなすことになります。
4〜5つ星の規模では、リスクはさらに大きくなります。ホテルには切り替えのために閉める時間がなく、人の入れ替わりや季節雇用があるため、最初の一回の研修だけでは一年を通して足りません。
第2部:新しいホテルソフトウェアのスタッフ研修は部門ごと、シフトごとに
原則は、各部門が自分の業務の流れを、シフトの中で起きる順番どおりに学ぶことです。フロントはシフトの引き継ぎを受けてから引き渡すまで。客室部門は客室リストを受け取ってから清掃済みを報告するまで。販売拠点はテーブルを開いてから伝票を客室に付け替え、シフトを締めるまで。経理はナイトオーディットから期末報告まで。
各部門のリーダー
- 各部門が業務に精通した人をリーダーに選ぶ。多くはシフトスーパーバイザーか、同僚から信頼される勤続年数の長いスタッフです。
- リーダーは先に、より深く学び、サービスコード、料金、アクセス権限などの設定が部門のルールに合っているかも確認します。
- リーダーは最初のシフトに付き添い、質問を集め、ベンダーとの窓口になります。
- 経営陣はリーダーの役割を文書で任命し、時間外の仕事扱いにせず、シフト内にそのための時間を確保します。
一回にまとめず、シフトごとに学ぶ
各部門はシフトごとにグループを分け、夜勤、中抜けシフト、交代で休みのスタッフにもそれぞれの研修の場を設けます。操作手順書と研修の録画は欠席者の学び直しに役立ちますが、リーダーと一緒に自分の手で操作することの代わりにはなりません。
第3部:テスト環境でホテル自身のデータを使って学ぶ
DiHotelでは、研修はホテル自身のデータのコピーから構築したテスト環境で行います。客室配置、客室タイプ、料金、取引先一覧、将来の予約です。フロントは来週予約している団体をそのまま目にし、経理は契約企業の一覧を、レストランは自店のメニューを目にします。
- 稼働中のシステムには手を触れません。 練習の操作はすべてテスト環境にだけ記録されます。何度間違えても、実際のゲストや実際の帳簿には影響しません。
- 練習の場面はホテルの現実から取ります。遅れてチェックインする団体、滞在途中の部屋移動、企業向けの請求書の分割、サービス料金の客室付け、ノーショーなどです。
- 旧システムは本稼働後も閲覧専用で一定期間残し、照会に使います。スタッフは古いデータを覚えておく必要はなく、どこで調べればよいかを知っていれば十分です。新しい取引はすべて新システムにだけ記録します。
データ移行、試験稼働、研修前のグループごとの照合は、ホテル管理ソフトウェア移行のチェックリストの記事で扱っています。研修は試験稼働が照合を通過してから始めるべきです。そうすればスタッフはすでに正しい数字で学べます。
第4部:部門別の研修計画のひな形
下の表はひな形です。各ホテルが自社の組織図に合わせて調整します。
| 部門 | 先に学ぶ業務の流れ | リーダー | 時期 | 達成の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 経理 | フロント、レストラン、サービスの売上がDiACCに計上される流れ、日次売上の照合、売掛金・買掛金と期首残高 | 経理責任者 | 他部門より先、締め日の前 | 初日の売上をその夜のうちに照合できる |
| フロント | 個人・団体のチェックイン、身分証のスキャン、部屋移動、収納、請求書の分割、チェックアウト | フロントマネージャーまたはシフトスーパーバイザー | 本稼働日の前にテスト環境で。最初のシフトに付き添いあり | 各自が5つの基本操作を質問せずにこなせる |
| 夜勤 | 遅着、ノーショー、現金の照合、ナイトオーディット、日付更新 | 夜勤スーパーバイザー | 本稼働日の前に専用の研修。最初の夜は付き添いあり | 日付更新を一人で実行でき、日次売上報告が一致する |
| 客室 | 清掃済み・未清掃・点検中の客室ステータス、販売停止客室、客室内消費の計上 | エグゼクティブハウスキーパー | 最初の週にシフトごと | システム上の客室ステータスが各階の実態と一致する |
| レストラン・販売拠点 | テーブルを開く、DiPOSでの注文、伝票の客室付け替え、精算、シフトの締め | レストランスーパーバイザー | 本稼働日の前 | 客室に付けた伝票がゲストの客室請求書に正しく表示される |
| 営業・予約 | 法人料金契約、団体ブロック、将来の予約 | 営業部長 | 本稼働日の前 | 契約どおりに団体ブロックを作成・修正できる |
| 経営陣・GM | 運営報告書、役割に応じたアクセス権限、DiOwnerでの数字の確認 | GMまたは運営部長 | 各部門のリーダーと並行して | 新システムで日次報告書を読め、アクセス権限が役割に合っている |
この表では、あえて研修の回数や時間を示していません。部門の規模、シフト数、人数によって変わるためです。具体的な日程は、ホテルとベンダーの間のサービス契約に定めます。
第5部:夜勤と日付更新——見落とされやすい環
夜勤は全体研修に出られないことが多いにもかかわらず、ナイトオーディット、日付更新、そして尋ねる相手のいない場面を担います。
- 夜勤のための専用の研修を、スタッフの頭が冴えている時間帯に設けます。勤務明けの直後には組みません。
- テスト環境でナイトオーディットを何度も練習します。場面は実際に起こるものを使います。まだチェックインしていない遅着、ノーショー、締まっていないレストランの伝票、現金の差異などです。
- 日付更新前のチェックリストをカードに印刷してフロントに置きます。未チェックインのゲストはいないか、締めていない販売拠点はないか、記録していない入金はないか。
- 新システムでの最初の夜には必ずリーダーが付き添い、経理責任者は初日の売上をその夜のうちに照合する段取りをしておきます。
第6部:経理とオーナー・GMへの報告を途切れさせない
期の途中での切り替えは、数字の流れを断ち切りやすくなります。月の一部は旧システムに、一部は新システムに残るからです。流れを途切れさせないための3つのこと:
- 経理が先に動く。 DiHotelでは、会計モジュールDiACCが通達99号の勘定科目体系で稼働し、フロントの売上を自動で仕訳します。フロントが練習を始める前に経理責任者がこの流れを理解しておけば、フロントが操作を誤ったとき、帳簿にすぐ表れます。
- 残高確定記録は最初のシフトの前に署名します。そうすれば新システムの期首の数字に書類上の根拠ができます。詳しくは経理責任者のための期首残高の確定の記事をご覧ください。
- オーナーとGMはDiOwnerで数字を確認します。運営システムと数字が一致する閲覧専用のスマートフォンアプリです。最初の数日間、オーナーとGMは売上と稼働率をスマートフォンでそのまま確認でき、新システムに慣れるのに忙しい部門に電話で問い合わせる必要がありません。
チェーンでは、新システムに切り替えた施設が、DiOwnerのオーナーとGM向けの同じダッシュボードに表示されていきます。DiOwnerはオーナーとGM向けの閲覧専用アプリで、運営を行うシステムではありません。取引はすべてDiHotelに記録されます。DiHotelとDiOwnerを組み合わせると、マルチプロパティ ホテル管理ソフトウェアになります。各施設の運営はDiHotelが担い、オーナーとGMは一つの画面で数字を共有します。
第7部:チェーンとリゾート——施設ごとの段階的な展開
- 一度にではなく、一施設ずつ切り替える。 データが整い、チームが安定している施設から始めます。最初の施設がチェーン全体のモデルになります。
- 最初の施設のリーダーが次の施設を支援する。 本稼働日をすでに経験し、つまずきやすい点を知り、スタッフと同じ言葉で話せます。
- 先に標準化し、研修は後。 サービスコード、客室タイプ、料金ルール、アクセス権限は、最初の施設の研修前にチェーン全体で統一しておきます。そうすれば最初の施設で得た教訓を次の施設でも使えます。
- ヴィラが点在し販売拠点が多いリゾートでは、フロントから離れた販売拠点向けに研修を追加し、複数の場所からのサービス料金の客室付けを別に練習します。
- 新人と季節雇用のスタッフ:操作手順書、研修の録画、手順カード、部門リーダーが枠組みとなり、ホテルは採用シーズンのたびにベンダーを待たずに、自前で再研修できます。
表計算で帳簿をつけているポートフォリオ内の小規模施設は、DiCloud Blogにある、Excelからのホテル管理ソフトウェアの切り替え(英語)の手順ガイドを参考にできます。
第8部:本稼働日と最初の1週間——5つの基本操作で測る
- 閑散期の初めの日を選ぶ。大規模な団体やイベントのある日は避けます。
- 各部門の最初のシフトにはリーダーが勤務し、その日のベンダーによる現地サポートは事前に手配しておきます。
- 各持ち場に1枚の手順カード:フロント、販売拠点、客室部門の事務所。
- DiHotelヘルプポータル(dihotel.vn/ja/help-portal)には画像と動画のガイドがあり、スタッフが操作を自分で調べ直せます。
- できることで測る。 フロントでは、各自が5つの基本操作を質問せずにこなします。チェックイン、チェックアウト、部屋移動、収納、日付更新と締めです。他の部門にもそれぞれ基本となる業務の流れがあり、第4部の表のとおりです。
- 毎日2つの数字を追う:リーダーに寄せられた質問の数と、日次売上の照合結果です。
第9部:「0円乗り換え」パッケージ——部門別研修はお約束の一つ
客室数50室以上のホテル、または2施設以上のチェーンで、旧世代のオンプレミス型システムを使っており、2027年6月30日までに契約を締結する場合、DiHotelは5つのお約束をします。
- 1. データ移行は0円:先に試験稼働、データグループごとの照合、ロールバックポイントあり。
- 2. 並行稼働:旧システムは3〜6か月間閲覧専用で残し、停止を急がせません。
- 3. 二重払いなし:旧システムの契約の残存期間(最大6か月)をDiHotelの利用期間に上乗せします。
- 4. 残高確定記録を本稼働前に双方が署名します。
- 5. 部門別研修:サービス契約に基づく現地研修で、ソフトウェアの操作手順書と研修の録画付き。ホテルは各部門からシフトごとに十分な人数を出席させ、研修後、DiHotelは本稼働日に1名を現地サポートに派遣します。
乗り換えのお客様のDiHotel利用料は、ホテルが現在旧システムに支払っている保守料を上回らず、客室数と利用モジュール数で算定します。当社は利用料の値引きはしません。その分を移行リスクの解消に充てます。詳しい条件は契約書に定めます。旧システムのサーバーもサポート終了が近いなら、Windows Server 2016のサポート終了:2027年1月までにホテルがすべきことの記事もご覧ください。
貴ホテルの部門数とシフト数はいくつですか?
部門構成、シフト数、リーダー候補の一覧をDiHotelチームにお送りください。契約のご相談の前に、貴ホテル専用の部門別・施設別の研修計画の枠組みを作成します。
よくある質問
ホテルソフトウェアを切り替えるとき、スタッフ研修は機能別と部門別のどちらで行うべきですか?
部門別、シフト別です。各部門は、システムの全機能の説明を聞くのではなく、シフトの中で起きる順番どおりに自分の業務の流れを、テスト環境のホテル自身のデータで学びます。
各部門のリーダーには誰がなるべきですか?
業務に精通した人で、多くはシフトスーパーバイザーか、同僚から信頼される勤続年数の長いスタッフです。リーダーは先に学び、部門のルールに沿って設定を確認し、最初のシフトに付き添い、質問を集め、ベンダーとの窓口になります。
日中の研修に出られない夜勤スタッフはどう学べばよいですか?
夜勤には、頭が冴えている時間帯の専用の研修が必要です。テスト環境で実際の場面を使ってナイトオーディットと日付更新を練習し、フロントにチェックリストのカードを置き、新システムでの最初の夜にはリーダーが付き添います。
ソフトウェアの切り替えでオーナーとGMへの報告は途切れませんか?
経理が他部門より先に学び、残高確定記録を最初のシフトの前に署名し、初日の売上をその夜のうちに照合すれば、数字の流れは保てます。オーナーとGMは、運営システムと数字が一致する閲覧専用アプリDiOwnerで数字を確認します。
複数施設のチェーンは、全施設を同時に研修すべきですか、それとも一施設ずつですか?
一施設ずつです。データが整いチームが安定している最初の施設をモデルにし、その施設のリーダーが後の施設を支援します。サービスコード、客室タイプ、アクセス権限は、研修を始める前にチェーン全体で統一しておくべきです。
「0円乗り換え」パッケージにはどのような研修支援が含まれますか?
サービス契約に基づく部門別の現地研修で、操作手順書と研修の録画が付き、本稼働日には1名が現地サポートに入ります。対象は客室数50室以上のホテル、または2施設以上のチェーンで、2027年6月30日までに締結する契約です。
結論
4〜5つ星規模のホテルソフトウェアの切り替えに必要なのは、大がかりな研修を一度行うことではなく、部門ごとのスタッフ研修の計画です。各部門がシフトごとに自分の業務の流れをホテル自身のデータで学び、リーダーを置き、夜勤には専用の研修を設け、経理が先に動き、実際にできることという明確な物差しを持つことです。
AIホテル管理ソフトウェアDiHotelは、DiHotel Solutions Corpsの基幹プラットフォームであり、5つ星ホテル管理システムとしてリゾートやチェーンも支えます。同社はベトナムと日本で20年以上ホテルソフトウェアを開発し、300以上の宿泊施設にサービスを提供しています。DiHotelはクラウド、オンプレミス、またはその組み合わせで導入できます。
一人のフロントスタッフが多くの業務を兼ねるミニホテル、ゲストハウス、民泊については、DiCloud Blogの姉妹記事が小さなフロントのためのシフト別研修を扱っています:ホテルソフトウェアの切り替え:初日から使えるフロント研修(英語)。その規模では、DiCloudはクラウドAIホテル管理ソフトウェアであり、オンラインAIホテル管理ソフトウェアとしてフロントのパソコンでもスマートフォンでも開けます。
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